無題

527 名前：風と木の名無しさん[sage] 投稿日：2009/01/10(土) 07:07:13 ID:enFdsY9R0
「う、受けさんっ、すっ、好きです！　俺とっ、つきあってください！」
『えっ、ぼくもっ……うれしい、けど、でも、ごめんなさい』
「な、なんでですか！？」
『だって、攻めさん……へたれ、だから』
「そ、そっか……すみません、お、俺、こんなダメなやつだから……」
『ちが、違います！　攻めさんはだめじゃないです！　かっこいいです！』
「い、いいんです、そんな」
『だって、ほんとに違うんですっ！　だめなのは、ぼくの方です！』
「受けさんはダメじゃありません！　お、俺は受けさんの全部を愛してますっ」
『でも、ぼく、つんでれ、とか、できないし……じょおう、とかもっ……』
「お、俺、よく意味が」
『だって、攻めさんみたいなへたれ攻めにはツンデレ女王受けに決まってるって聞いたから……』
「そっ、そんな！」
『ぼくも攻めさんが、す、すき……だけど、ぼく、可愛い系従順受けだから』
「でも、でも……そんな決まりがあったなんて知らなかったけど、でも」
『攻めさん、やさしいから……きっとぴったりの人、みつかります』
「そんな……でも、俺は受けさんが好きで、受けさんだけが好きで、受けさんは俺にとってすべてなんです！　俺には受けさんが太陽で、酸素で、花で、発泡スチロールで、百科事典で」
『えっ』
「受けさんは俺の青空で宇宙で紅茶で野うさぎで、時計でテレビで包帯でゴミ袋で絵の具で、お月様で大臣でティッシュの箱でティッシュでもあって、余弦定理で瘡蓋でアイドルでお風呂で、すべてなんです！」
『攻めさ……』
「受けさんは俺のすべてなんです！　だから、俺にとってはツンデレも女王も、受けさんなんです！　だから、だから――」
『せ、攻めさんっ……』
「な、泣かないでください受けさん！」
『攻めさん、うれしい、ですっ！　さっき、断ったりしてごめんなさいっ』
「じゃ、じゃあ！」
『攻めさんの言葉きいてたら……。ぼくでよければ、よろしくお願いします』
「こここちらこそ！　受けさん、愛してます！　俺、こんなへたれだけど、これから」
『あっ、あの、それ違いました』
「え？」
『攻めさん、へたれ攻めじゃなくって電波攻めだったみたい、だから大丈夫でした！』